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プールQ&A

*プール管理についての質問はこちらから*

 

(1)プール管理とは?
  1. 遊離残留塩素の確保
  2. 残留塩素測定の必要性
  3. プール内に汚れを持ち込まない
  4. ろ過機の必要性
  5. 給水原水の基準

(2)mg/Lとは?
以前用いられていたPPm(Parts Per Millionの略で百万分のいくつかを示す単位)とほぼ同様に用います。残留塩素2mg/Lとは、水1Lに塩素が1mgあることを意味します。

(3)PHとは?
水素イオン濃度ともいい、溶液中に含まれる水素イオンの量を示す指標でもあって、溶液が酸性かアルカリ性であるかを示す尺度として使われています。
PH値が7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性で、7であれば中性であるとします。

(4)濁度について
水の濁りの度合を示す項目で、1L水中に1mgの精製カオリンを含む濁りの度合を1度、または1mg/Lとして表します。また、水の濁りの度合を透明度で表すこともできますが、文部科学省学校環境衛生の基準では、この透明度はプール底の白線が明確に見える程度とされています。

(5)過マンガン酸カリ消費量
過マンガン酸カリ消費量とは、水中の酸化されやすい物質によって消費される過マンガン酸カリの量を いいます。
能力、補給水量などの指標になります。
過マンガン酸カリ消費量は12mg/L以下と定められています。

(6)プール病について
水泳プールで感染する病気は、ほとんど入泳者によって持ち込まれます。この中でも、ウィルスによる夏かぜ、結膜炎などが多く、中でもプール病と言われるものは、アデノウィルス感染症によるもので、プールでうつる病気の中で最も危険です。
アデノウィルスによる感染症には、主に咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、急性気道疾患などの症状が出ます。これらは人の便、のど、目などからプール水中に持ち込まれるので、衛生面に充分な配慮が必要です。

(7)離残留塩素と結合残留塩素とは?
一般には塩素系消毒剤が水に溶けると、次亜塩素酸(HOCL)を生じますが、これを遊離残留塩素といい強い殺菌効果を表します。これに対して、水中の有機物と結合して生成した物質をクロラミンといい、これを結合残留塩素といい、殺菌作用は極めて弱くなります。また、総残留塩素とは、遊離残留塩素と結合残留塩素の全量をいいます。

(8)PHの調整方法は?
厚生労働省の通達によりますと、PHは5.8〜8.6の範囲に定められていますが、快適に泳ぐには、6.8〜7.5の範囲内でPH管理をするのが望ましいようです。
シアヌール酸系の塩素系消毒剤を使用すると、PHが下がり人体への影響やプール機器の腐食の原因になったりします。また、硫酸バンドを単独で使用しますと、PHが下がり凝集効果が低下します。この場合、アルカリ(ソーダ灰)を投入して下さい。
次亜塩素酸ソーダを使用すると、逆に、PHが上昇します。PHが高いと殺菌力が弱くなりますので、うすい酸を投入して下さい。なお、日曹ハイクロンを使用しますと、PHは中性で変わりません。

(9)塩素系消毒剤の殺菌力は?
塩素系消毒剤は水に溶けると次亜塩素酸ができ、強い殺菌効果があります。15〜30秒で死滅させる残留塩素濃度は次の通りです。

15〜30秒間(ウィルスは60秒)で死滅させる塩素濃度(一部改変)
遊離塩素〔mg/L〕 菌種
0.1 チフス菌、パラチフス菌A、B菌、赤痢菌、腸球菌、ウエルシー菌、白色ブドウ球菌、肺炎球菌、ジフテリア菌、緑膿菌、ショウ紅熱菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌
0.15〜0.25 チフス菌、パラチフスA、B菌、赤痢菌、腸球菌、ウエルシー菌、白色ブドウ球菌、肺炎双球菌、ジフテリア菌、緑膿症、ショウ紅熱菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、(大腸菌)
0.4 アデノウィルス(プール水でのデータ)

(10)目が痛い
PHが低いと目が痛くなります。
プールの汚れがひどいと、これに塩素が反応してクロラミンを発生します。これが目を刺激するのです。
PH調整またはスーパークロリネーションを行って下さい。

(11)ろ過機の種類と特長
(1)砂ろ過式〈ろ材〉砂、アンスラサイト
従来からあるろ過方式で、設備費は多少高くつきますが、清澄性に優れています。
逆洗が必要です。
(2)けい藻土式〈ろ材〉けい藻土
清澄度が極めて高いが、けい藻土の装着が面倒です。
逆洗による排水も問題です。
(3)カートリッジ式〈ろ材〉カートリッジ
設備費は比較的安価ですが、カートリッジの取替が必要です。
逆洗の必要はありません。

(12)プールの排水は?
プールの排水先が魚介類や農作物等に影響するところでは、残留塩素を確かめて排水して下さい。
また、足腰洗槽はかなり濃い塩素を含んでいます。必ず中和して排水して下さい。
中和剤には「日曹ノンクロエース」が効果的です。

(13)ろ過機のターン数とは?
プール本体の総数量が入れ替わる回数をターン数と呼んでいます。学校プールの場合はろ過機を24Hr 運転する場合4ターン、夜間運転で停止する場合6ターンが必要といわれております。
300mプールで300m/24Hrであれば1ターンといいます。

(14)硫酸バンドの使い方(硫酸アルミニウム)
砂ろ過の場合、ろ材の隙間が100ミクロン程度で、これより小さいものは捕えることが出来ません。
この為、凝集剤を使い吸着させます。
普通、凝集剤には硫酸バンド及びポリ塩化アルミニウムを用い、PH調整剤としてソーダ灰を使います。
注入率は硫酸バンド及びポリ塩化アルミニウム5mg/Lに対してソーダ灰2mg/Lの割合です。
又、水泳プール用の凝集剤「日曹セレクトール」(液体)をお使いになるとより一層簡便です。

(15)プールの塗料が脱色した
塗料の品質によって脱色するものもあります。
また、どの塩素系消毒剤を使用しても、多少の漂白作用がありますが、薬剤によって大分差があるようです。日曹ハイクロンを使用すると、殆ど影響がありませんが、シアヌール酸系の塩素系消毒剤を使いますと、脱色作用が著しいようです。
カラフルなプールや塩ビシートなどでは、シアヌール酸系の薬剤の使用は避けた方が良いようです。

(16)遊泳後の洗眼は?
プール病を予防する為、遊泳後は洗面やうがいを行って下さい。また、浄水による洗眼は必ずするよう週間づけて下さい。目薬の点眼も効果があります。

(17)雨の日のプールは?
空気中には、藻類の胞子が無数にあります。雨の日などのプールを使用しないとき、塩素消毒を怠ると2〜3日で藻が発生します。一度発生した藻の除去は困難です。
雨の日でも、塩素は切らさないようにしましょう。
除藻には「日曹モーカット」が便利です。

(18)水がぬるぬるする
水が有機物で汚れています。スーパークロリネーションをして下さい。
また、PHが著しく高い場合(9.0以上)もぬるぬるした感じがしますが、PH管理を確実にしている限り、この現象は起りません。

(19)スーパークロリネーション
通常の塩素管理を行っていても、遊泳者が多く、アンモニア類等の有機物でプール水が著しく汚染されている時、過剰な塩素を注入して一時的に汚れを取り除きます。これをスーパークロリネーションといいます。
「日曹モーカット」を水1m当り7〜14g(5〜10mg/L)の場合で投入して下さい。

(20)足腰洗槽は必要か?
プール水は自然に水が交換される水域とちがい、身体に附着している汗、垢、糞便などの汚れや、目に見えない病原性細菌が持ち込まれると、いろいろな病気をおこす原因になります。こういった汚れを事前に防ぐために、シャワーや足洗槽、腰洗槽で身体に附着した汚れを洗い落とし、殺菌消毒することが望ましい。
足腰洗槽の残留塩素濃度は50mg/L〜100mg/Lです。

(21)プールが緑色になった
プール水が緑色になるのは藻が発生し始めているのです。塩素濃度を高くして殺藻処理します。
日曹モーカットを水1m当り7〜10g(5〜7mg/L)の割合で投入して下さい。ろ過機は連続運転して下さい。なお、水を入替えるときはプールの壁面などを塩素処理して下さい。
*プール水が緑色になるのはプールの塗料の色や原水の成分が影響する場合があります。

(22)水が茶色になった
プール水が茶色になるのは、鉄やマンガンが含まれている場合、この現象がおこります。
遊泳終了後、日曹ハイクロン(G)を水1m当り7〜10g(5〜7mg/L)の割合で投入してろ過機を連続運転して下さい。
なお、砂ろ過の場合は、凝集剤を使用すると効果的です。

(23)残留塩素が出ない
以下の点をチェックして下さい。
1)水の汚れがひどくありませんか。
水中の有機物と反応して塩素が消耗しています。スーパークロリネーションをして下さい。
2)塩素系消毒剤は古くないですか。
分解したり有効塩素が低下したものは塩素が出ません。
3)残留塩素測定器は大丈夫ですか。
色盤が変色したり、試薬が古くなったものは正確に反応しません。
4)滅菌器は作動していますか。
滅菌器から正常に塩素が注入されているか確かめて下さい。

(24)プールの水温は?
屋外プールでは24〜25℃が適温です。21℃以下ですと、体温の低下が著しく、遊泳は好ましくありません。普通、水道水では問題ありませんが、特に、原水が地下水のときは、水温(14〜18℃)が低いので注意しなければなりません。室内温水プールでは、29〜30℃で管理されています。

(25)不連続点現象について
プールは汚れの具合によって、塩素の消費量が変わります。プールの使用日数が続き、汗やアンモニアなどで有機物汚濁が進んだとき、注入塩素量を増やしても、残留塩素量は一旦増えた後、また減り、再び増えます。このもっとも減った点を不連続点といいます。不連続点以前の残留塩素を結合点といい、殺菌力は遊離型に比べてはるかに弱くなります。この不連続点現象を知らずにいますと、塩素不足になりますので度々測定し、塩素系消毒剤を補充するようにして下さい。


(26)塩素の消耗速度は?
塩素の消耗は天候によって速度が異なり、晴天時、紫外線の多い時は、消耗が激しくなります。一般にプール水中の濃度では、10分間に0.2mg/L程度とされています。
紫外線は水深に関係します。プールの底部では、紫外線が少なく、塩素の消耗も少なくなります。

(27)残留塩素の測定法は?
残留塩素の測定法は、従来からあるオルトトリジン法と最近普及してきたDPD法があります。
いずれの方法も比色法ですが、オルトトリジン法では黄色の発色をし、DPD法はピンク色を呈します。
プールの水質管理のポイントは、残留塩素が遊離型か結合型かを知ることです。DPD法はこれを容易に測定できます。
日曹式DPD遊離残留塩素測定器をご準備下さい。

(28)水が白く濁った
プール水が有機物で汚れています。スーパークロリネーションをして下さい。
ろ過機が正常に運転されているかチェックして下さい。
また、凝集剤(硫酸バンド)を投入したとき、PH調整をうまくしないと、白く濁ることがあります。
ろ過機をフル運転するか、水を入れ換えるかして下さい。また、塗料が原因で濁る場合があります。
塗料面を手のひらでこすると白い付着物がつくことがありますがこれをチョーキング現象といい水を白く濁らせます。

(29)足に火傷のような傷ができた
コンクリートのプールで、底面や壁面がざらざらしていると起ります。プール面の補修が必要です。

(30)プール遊泳終了後の塩素管理のすすめ
厚生省生活衛生局通知において、プール水の浄化設備は1日中運転し、また消毒設備は少なくともプールの使用時間中は運転することと、維持管理の向上が盛り込まれています。
遊泳終了後も塩素管理することによって、特に夜間の細菌類の増殖が抑制され、目の刺激の原因である結合塩素(クロラミン)が分解される効果があります。
プール遊泳終了後の標準使用量はプール水1m3に対し、ハイクロン2〜4g使用して下さい。

(31)水泳プールの水質基準
プール病や伝染病を予防するため、いつも水泳プールを衛生的な健康の場とすることを目的として次の基準が定められています。

厚生労働省通達(平成13年7月24日)
(1)PH 5.6〜8.6
(2)濁度 2度以下
(3)過マンガン酸カリ消費量 12mg/L以下
(4)遊離残留塩素 0.4mg/L以上、また1.0mg/L以下が望ましい
(5)二酸化塩素 二酸化塩素濃度は0.1mg/L以上0.4mg/L以下、亜塩素酸濃度は1.2mg/L以下
(6)大腸菌群 検出されないこと
(7)一般細菌 200CFU/mg以下
(8)総トリハロメタン 暫定目標値としておおむね0.2mg/L以下が望ましい
文部科学省学校環境衛生の基準(平成13年8月28日)
(1)給水原水 飲料水の基準に適合するものが望ましい
(2)PH 5.8〜8.6
(3)濁度 2度以下
(4)遊離残留塩素 プール内の対角線上の3点以上を選び、表面及び中層で0.4mg/L以上1.0mg/L以下が望ましい
(5)過マンガン酸カリ消費量 12mg/L以下
(6)大腸菌群 検出されないこと
(7)一般細菌数 1ml中200以下